雇止めが法理化されました 2013.05.27
みなさんこんにちは。
新緑の美しい季節となりました。
1年の中でも一番すごしやすい季節ですね!
さて、4月1日のこの「新着情報」の中でもお知らせしましたが、
平成25年4月1日から労働契約法改正が施行されました。
今回は前回の記事をもう少し噛み砕いてみます。
特に重要なことは、【雇止め法理】が法制化されたということです。
契約期間満了をもって雇用契約を終了させる「雇止め」ですが
この点、最高裁判決は、以下の様に述べています。
◇労使いずれかから格別の意思表示がなければ
当然更新されるべき労働契約と解するのが相当である場合は
期間の満了毎に当然更新を重ねて あたかも期間の定めのない契約と
実質的に異ならない状態で存在していたものといわなければならず、
使用者からの雇止めの意思表示は、実質において解雇の意思表示にあたる
★これは、一言で言うと、
契約期間を設けているが、
きちんと更新の手続を踏まずに自動更新となっている場合や、
当然次の契約も更新されるであろうと期待させているような場合には、
その雇止めは、正社員を解雇する場合と同様に、
厳しい基準で判断するということです。
これを「雇止めの法理」と言い、今回の法改正で明文化されました。
☆★今後雇止めをする場合には、
更新回数やトータルの契約年数をきちんと考慮し、
契約更新の有無や更新する場合の基準をきちんと明示するなどの対応が
より重要になります。
これによって、今後有期雇用契約の更新が打ち切られた場合には、
1.契約更新の繰り返しによって無期雇用と実質同じ状態にあるとき
あるいは
2.状況的に更新されるという合理的な期待が認められるとき
のどちらかに該当するケースであれば、実質解雇とみなされ、
解雇の場合と同様に合理的な理由のない雇止めは無効と判断されて、
それまでの有期契約が更新されたものとみなされます。
この法理は法改正以前も運用されてきましたが
今回の制定法化によって不当な雇止めの法的根拠が明確化されましたので、
今後多くの雇止めに係る労働紛争が予想されますし、
現実的に企業に与える影響も、労務リスクとしての対応が求められます。
改正労働契約法が施行され、契約社員を常用的に使用し都合のよいときに
契約を打ち切るという雇用の調整弁的な使い方には限界があるということを
認識しなければなりません。
◇有期雇用とはどのような位置付け、雇用区分ですか?
◇無期でなく有期を使う必要性は?また、妥当ですか?
◇有期契約労働者と無期労働者との違いを明確化できていますか?
もちろん有期雇用者を正社員と区別化し
有効に活用することには、問題はありません。
【こんな雇止めには注意が必要です】
1)既に数回更新された有期労働契約で、
その雇止めが、無期労働契約の解雇と社会通念上同じと認められるもの
2)契約期間が満了となる時に、
この有期労働契約が更新されるものと労働者に期待させるような
合理的な理由があると認められるもの
また、
労働者が雇用が当然に継続するだろうと期待を抱いていたにも関わらず、
契約期間の満了前に、
使用者が更新年数や更新回数の上限などを一方的に伝えたとしても、
伝えたという行為だけでは、
合理的な理由がないとはされないとされています。
【要件と効果】
上記のいずれかに該当する場合に、
使用者が雇止めをすることが
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは
雇止めが認められず、今までと同じ労働条件で、有期労働契約が更新されます。
◆雇止めの可否判断は、どのようにされる?
◆有期労働契約の適性管理の方向性とは?
今すぐ再点検が必要ですね。
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